1 「なくした銀貨」の譬えを通して、主は何を語っておられるのでしょうか。譬えに出てく
る銀貨とは、当時流通していたギリシャのドラクマ銀貨です。一日の日当程度の価値を持
つ銀貨でしたが、家中を捜し回るまでの価値があるかは微妙です。なぜ、ここまで探すの
か。それはこの銀貨が10枚つづりの飾りの一部だったからだと言われます。決して欠けて
はならない1ピースだったのです。①あなたもまた、神にとって決して失われてはならな
いかけがえのない存在です。他人が、自分が、どんなにあなたを低く見積もっても、神の
目に映るあなたの存在価値は揺るぐことがありません。
2 自死を選ぶ人に特有の心理として「無価値観」、「孤独」、「怒り」の三要素が挙げられ
ます。どこかの闇に紛れ込んで失われた銀貨は、「無価値観」、「孤独」、「怒り」に苛ま
れる現代人を想起させます。それは自分の悲惨な姿にすら気づけず、真の神の愛から全く
離れている人の姿です。②あなたは神の前から失われていませんか。自らを救えない自分
の悲惨さに気づいていますか。主の問いかけに耳を傾けましょう。
3 家中を探す女性は、失われた人を飽くことなく捜す神の姿を表します。暗い家で明りを灯
して捜す女性のように、神は御顔の光を失われた人に降り注いでくださいます。銀貨にと
っては周囲が騒がしくなるような試練の時、しかし必ずそこに神の光が差し込んでくるの
です。神は失われた人を捜すために、十字架に命を捨てるほどの犠牲を払ってくださいま
した。③もしあなたが心の向きを換えて神の愛の御手に包まれるなら十字架から来る安息
と温もりに覆われ、天で歓声が起こります。今、父なる神の元で癒されるべき思いを抱え
ていませんか。十字架の主を仰ぎ、帰るべき場所に自らを置きましょう。