1 ヨセフ物語は優れた文学遺産として古来評価されています。しかし、より大切なのはこの
物語の主題である「神の摂理」を発見することです。ヨセフの家庭には多くの問題があり
ました。父ヤコブは複数の妻を持ち、母親が違う子どもたちが複雑な兄弟を構成していま
した。父は最愛の妻ラケルの忘れ形見であるヨセフを偏愛しましたが、それが兄弟間、父
子関係の確執を生んでいたのです。互いに平和の関係を築けない、バラバラドロドロの家
族でしたが、しかし、その問題だらけの家族に主は目を留め、大きな業を為そうとしてお
られます。主は、問題のある所に来てくださるお方だと知っていますか。
2 複雑な家庭で偏愛を受けて育ったヨセフには、人の気持ちを慮る繊細さが欠けていたよう
です。兄達の悪い噂を告げ口したり、二つの夢の話を無遠慮にした振舞いは、兄たちの怒
りに火を注ぐ結果となりました。たとえ真実であっても、相手への愛を欠くならば、正し
く受け取ってもらえません。愛を動機として他者と関わるために、人は皆罪人であるとい
う真理を十字架に示された愛を通して教えてくださった神に祈り、その愛で満たされるこ
とを切に求めましょう。
3 父ヤコブはヨセフの浅慮を叱責しましたが、その夢は心に留めていました。今はわからな
くても、人生の背後にいる神を覚え、その御業に期待したのです。あなたの人生の背後に
おられる神を思い、このお方に期待していますか。全ての出来事が神の摂理の中にあると
信じ、信仰の目をもって現在、過去、未来を見つめていきましょう。