1 リーダー不在の混迷の時代にイスラエルを導き、強大な敵ミデヤンを打ち破ったギデオン
は、まさに一代の英雄でした。しかし、そんな英雄ギデオンの晩年は残念なものとなりま
す。その第一の理由は、家庭生活の問題です。異民族からも側女を迎えた一夫多妻で、70
人もの息子を持ったギデオンの家庭には次第に綻びが生じ、彼の死後には再び偶像礼拝を
行なうようになってしまいました。信仰生活と家庭生活は、別物ではありません。あなた
は、自分の家庭の祝福のために祈っていますか。
2 第二の理由は、ギデオンが領分を越えた願いを実現しようとしたことにありました。民か
ら王になってくれとの要請を受けたギデオンは、それを断りました。政治的な野心はなか
った彼には、しかし別の野心がありました。民から戦利品を集め、大祭司の装束の一部で
あるエポデを造ったのです。なぜ、彼はエポデを造ったのでしょう。①戦勝の記念碑的な
意味合いで造ったと思われます。しかし、そこには戦いに勝ったがゆえの高ぶりが顔を出
しています。②自分が祭司の立場になり、民を導きたいという思いで造ったと考えられま
す。しかし本来祭司はレビ族の職務であり、マナセ族のギデオンがそれを求めることは、
自分の領分を越えることでした。ギデオンがそのようにしてエポデを造った結果は、悲惨
なものとなりました。彼の死後、民は占いの道具のようにそれを用い、偶像礼拝という霊
的淫行が行なわれたのです。更に、その後には異民族の側女から産まれた息子のアビメレ
クにより、他の息子たちが殺されるという惨劇を招いてしまいました。
3 勇士ギデオンの残念な晩年から、継続して神に従い続けることがいかに大切であるかを教
えられます。最後まで忠実に主に従いきるために、日々の祈り(神との交わり)を欠かさ
ず、自分の意志や感情でなく聖霊に聴き従うことを大切にしましょう。人生のあらゆる局
面を通して神を第一とする信仰を最後まで忠実に保ち続け、信仰の生涯を最後まで走り抜
く者となりましょう。