1 十戒の第三戒は、「主の御名を正しいあり方で呼ぼう」と教えています。その人がどんな
呼び名で他者から呼ばれるかということにおいて、両者の人間関係が自然に浮かび上がっ
てくるものです。同様に、人が神の御名を呼ぶということの中に、神とその人との関係性
が集約され、現れてくるのです。
2 第三戒は、それを最初に受取ったイスラエル人に非常な恐れを引き起こしました。それで
彼らは「御名をみだりに唱える」罪を犯さないために、最初からのその御名を声にしない
ことを徹底したのです。しかし、神は本来「みだりに唱える」ことを禁じてはいても、御
名を呼ぶことは禁じておられないのです。むしろ、神がその尊い御名を人に示しておられ
るのは、ご自身を呼ぶことを良しとしておられるからなのです。あなたがその御名を呼ぶ
時、神は聴いてくださいます。
3 「みだりに」とは、「気儘に」とか「理由もなく」という意味で、つまりは御名を呼ぶ時
にもマナーやルールがあるということです。それをわきまえないのが、「みだりに唱える」
ことです。
第一に、それは「神の御名を自分勝手に利用すること」です。⇒これは、自分の利益のた
め、あるいは自己正当化のため、御名を持ちだすことです。戦争の大義名分として御名を
持ち出したり、経済的利益のために御名を利用するのは、誤りです。あなたは自己正当化
のために御名を用いたり、自分の都合のよい時だけ主の御名を呼ぶなどということをして
はいませんか。
第二に、それは「神の御名を軽んじること」です。⇒主の御名によって祈りつつも、実は
本気で実行する気のないことを祈っていたり、その場限りの悔い改めをしたりしているな
ら、それは御名を軽んじることではないでしょうか。「主よ」と呼びつつも、み言葉を実
行しないなら、それは「みだりに唱える」ことに等しいと仰る主のみ言葉(ルカ6:46)の
前に、襟を正しましょう。そして、真剣に心こめて御名を呼びなさいと求める主のみ言葉
(ヨハネ14:13~14)を握り、実行しましょう。