1 「放蕩息子のたとえ」は、「世界で最も短い小説」と評されます。強引に財産の生前分与
を父に願い出た弟息子は、手に入れるや否や家を出てしまいました。彼にとって父は奪う
対象でしかなかったのです。彼の罪は権利のないものを求め、奪ったことにあります。他
人を羨み、求める心に支配されていませんか。神はいつもあなたにベストを与えておられ
るとわきまえ、感謝しましょう。
2 弟息子が旅立った「遠い国」とは、父の影響の及ばない場所であり、今までと違う生活の
ある場所でした。つまり彼の行動は、現実に背を向けた逃避とも言えます。目に見える現
実の重さに目を逸らしたくなったり、恨んだり、諦めたりしていませんか。愛の神があな
たと共におられる恵みは、いついかなる時も決して変りません。この事実に目を向けて、
今の現実に希望の光をいただきましょう。
3 弟息子は、欲望に突き動かされた放埒な散財の末、全てを失います。折悪しく襲った飢饉
により、困窮した彼はユダヤ人の忌避する豚飼いの仕事にまで身を落とします。彼の姿は
神に背を向けて天の故郷を失った、罪ある人間そのものです。そのどん底で、彼はあるべ
き自分の姿を思い出し、帰る決心をするのです。些細なことで神の愛を疑ったり、憤った
りしていませんか。神に背を向け、自分中心に生きてはいませんか。心の向きを変えて、
父なる神の懐に帰りましょう。そこにあなたを包む、永遠の愛があるのです。