1 アブラハムの息子イサクに関する聖書の記述は、そう多くありません。信仰者の二代目で
ある彼は、自分の意志や自覚とは関係なく、既に神の祝福の下に置かれていた人です。し
かし、そんな彼が二代目の信仰者になるためには、本人が神に向き合い、神を信じ、神に
信頼する生き方へ導かれる体験が不可欠でした。
2 あらゆる祝福を得ていたイサクにも、妻の不妊という問題がありました。聖書には不妊に
苦しむ女性が多々出てきますが、リベカもその一人でした。イサクはその苦しみの解決を
願い、20年にわたってとりなし、祈ったのです。この祈りの日々は、彼が神との関係を深
める体験そのものでした。信仰の祈りを積み重ねていくその先に、神の恵みの世界が更に
開かれていくことを知っていますか。今日も明日も粘り腰で神に向き合い、祈りを積み重
ねる人になりましょう。
3 イサクの祈りは、双子の誕生として結実します。長じて兄エサウは野人のごとき狩人とな
り、弟ヤコブは勝気な性格を内に秘めた羊飼いとなりました。そして、両親はそれぞれ一
方の息子を偏愛したのです。その後、ヤコブがエサウの空腹を利用して長子の権利を奪う
事件が起こりました。不愉快な事件ではありますが、その背後に神の自由と選びがあった
ことを見逃してはなりません。イサクやヤコブ同様に罪人の私たちを、まず神がその自由
を用いて愛してくださったからこそ、今、救いの恵みに与れていることをおぼえ、愛の神
を心からたたえましょう。