1 コリントは、交易で財を成したアカイア州の中心都市でした。豊かな富と文化を持つ一方
で、町の名が与えるイメージは淫らなことや放蕩につながっていたのです。かつてコリン
ト教会を開拓したパウロは、コリント教会が抱える問題を正しく導くためにこの手紙を記
しました。
2 冒頭の挨拶で、パウロは問題だらけの教会を「コリントにある神の教会」と呼び、そこに
集まる人々を「聖徒」と呼びます。二つのことを教えられます。①教会は神のものである
→地上にある全ての教会は、「神の教会」です。人の目で見るなら、地上の教会にはさま
ざまな差異があり、比較して批判や不満が生まれるかもしれません。しかし、どの教会も
等しく神の恵みによって支えられている「神の教会」なのです。②あなたは聖徒とされて
いる→自分を真摯に見つめれば、誰もが問題だらけの人間と自覚せざるを得ません。しか
し、主イエスの十字架できよめられ、救われた者は皆、神のものとされた聖徒なのです。
感謝し、更に聖霊のお取り扱いを我が身に求めましょう。
3 パウロはまず、分派の問題を取り上げます。コリント教会は、パウロ派、アポロ派などと
自分勝手に党派を作り、争っていました。仲間割れの根本原因は、プライドです。パウロ
が示す問題解決の鍵は、主の十字架でした。取るに足りない自分のために十字架で死なれ
た主の姿が本気で心に刺さるなら、誰も傲慢なままではいられません。十字架の主を見つ
め、感謝し、キリストだけを我が誇りとして歩みましょう。