1 四福音書中に唯一記されている、イエスの少年時代の記録がここにあります。過越の祭に
際して、少年イエスは家族と共にナザレからエルサレムへの巡礼の旅に出ました。12歳は
翌年に成人を控え、ふさわしい準備をする節目の年でもあったのです。
2 ところが、巡礼の帰り道にとんでもない事態が起こります。帰路に着く一行の中に、イエ
スがいなかったのです。顔色を変えて来た道を戻った両親は、ついに神殿で学者たちと語
らうイエスを発見します。叱責するマリヤへ答えたイエスの言葉は、両親には理解し難い
ものでした。①「父」という語を巡って食い違いがあり、②父なる神を第一とするイエス
の生き方が理解できなかったからです。
3 二つのことを教えられます。①驚きをもって主を見る幸い→人々はイエスの知恵と言葉に
驚き、両親はイエスの行動に驚きました。驚きをもってイエスを見ること、それが主を信
じる信仰の醍醐味です。あなたは日々、救い主イエスが共におられる驚きを見つけていま
すか。②常に主を見出す幸い→我が子を見失って不安に陥ったマリヤ同様に、主を見失っ
たように感じて平安を失うことがありませんか。そんな時は、両親が来た道を引き返した
ように、信仰の原点に立ち戻って主を求めましょう。あなたが心からへりくだり、祈り始
めるならば、そこが父の家、生ける神の臨在溢れる場所となります。主を見出す幸いを豊
かに味わいましょう。