1 8章後半に記される三つ目の奇跡は、イエス一行が再び訪れたガリラヤ地方で起こります。
待ちわびた大群衆が主を取り囲む中、そっと近づく人がいました。長血の病に12年間苦し
んでいた女性です。彼女が負っていたのは肉体の苦しみだけでなく、①経済的な苦しみ、
②精神的な苦しみ、③孤独の苦しみを含む多面的な苦しみでした。
2 病を癒し、力ある御業をなさるイエスの噂を聞いた彼女は弱った身体に鞭打って群衆の中
に入り、密かに主の着物の裾(権威の象徴)に触れます。その刹那、鮮やかな癒しを経験
したのです。誰が触ったかわからないほどの群衆がイエスを取り囲んでいた中で、彼女だ
けが癒されたのはなぜでしょう。それは主を信じ、主にすがる彼女の信仰のゆえでした。
あなたも信仰によって主に近づき、主の権威に、その臨在に触れる者となりましょう。
3 主イエスは、癒された彼女を群衆の中に探し、御前に出てくるように求めました。それは
「安心して行きなさい」と声をかけ、今後は神の与える平安の中で生きていくように祝福
するためでした。主イエスの救いは、身体も魂も含めた全人的な救いなのです。十字架と
復活の主を信じる者は、神との和解の関係に入れられています。信じて、今日も信仰の手
を伸ばし、主だけにすがりつきましょう。あなたの歩む日々に、神の与える平安が必ず満
ちていきます。